オフショア投資界では比較的有名な金融商品として、RL360°社(旧ロイヤルロンドン)のRSP(Regular Savings Plan)というものがあります。
RSPとは、簡単に言うと海外の積立投資商品の1種です。
日本ではあまり知られていませんが、世界中のファンドに投資ができるとして比較的メジャーな部類に入るオフショア投資商品です。
販売元の世界的金融サービス事業者であるRL360°も、格付け会社から高い格付け評価を得ていることから信頼性もあり、世界中の投資家達から注目されています。
本記事ではRSPの概要とともに、RSPで積立投資を行う良い点と悪い点、さらに購入方法を解説します。
RL360°(旧ロイヤルロンドン)のRSPの概要
RSPとは、海外の350以上のさまざまなファンドに直接投資ができる、RL360°の主力となる積立投資商品です。
詳しいファンドの種類はRL360 RSP FUND CENTREに書いてあります。
(正直、種類が多すぎてよく分かりません…笑)
主に老後資金や教育資金など将来のまとまった支出に備え、長期的に資産を形成していくことを目標としています。
日本で言うところの確定拠出年金に少し似ており、売買時の価格差であるスプレッドが存在せず、商品の預け替えにかかるスイッチングコストも不要、口座開設に伴う初期費用もかかりません。
また、日本円、ポンド、ユーロ、米ドル、豪ドル、スイスフラン、香港ドルなど7通貨での運用に対応しており、日本からの利用も可能です。ただし運用途中の通貨の変更はできません。
その他RSPの概要は以下の通りです。
【基本情報】
- 最低積立金額は280米ドル~
- 積立期間は5年~25年間。1年単位で選択可能
- 個人は18歳~65歳までであれば契約可能(満期は最長で71歳の誕生日)
- 350以上のファンドから最大で10ファンドまで選んで投資可能
- 証券有効期間は99年間
【満期前の資金引き出しについて】
- 時価総額が7000米ドルを下回らない範囲で一時引き出しも可能
- 毎月、3ヶ月、4ヶ月、半年、1年いずれかの間隔で定期引き出しも可能
※いずれも設立期間終了後に限ります。
【積み立て金の変更等について】
- 支払い期間が5年以上残っていれば積立金額の増額はいつでも可能
- 時価総額が7000米ドル以上になっていれば積み立て拠出の一時停止も可能
【運用中に最低限必要な手数料】
- 口座設立手数料:設立口座の時価総額に対し毎月0.5%
- 管理手数料:総資金の0.125%
- サービス手数料:毎月7米ドル
※2021年7月時点での手数料です。
なお、積立を開始すると資金は最高で2年間、設立口座(establishment unit)というユニットに蓄積されていきます。この期間は「設立期間(establish period)」と呼ばれます。
あまり聞き慣れないものですが、口座設立手数料が設立口座から毎月0.5%差し引かれます。
こう聞くと手数料ばかりがかかるように感じますが、設立口座への積立が完了した後は、新たな積立資金は別ユニットへ蓄積されるため、長期で運用すればするほど全資金に対して口座設立手数料の割合は低くなります。
このユニットという概念は、インベスターズトラスト(ITA)にも共通しています。
【2021年最新】ITAの商品「エボリューション」でも解説しています。
RL360°(旧ロイヤルロンドン)のRSPの特徴
次に、RSPをオフショア投資先として選択した場合の良い点と悪い点について解説します。
RSPの良い点
まず、RSPを投資先として選ぶメリットは以下の3点です。
- 歴史のある保険会社が運営している
- 各種ボーナスがある
- クレジットカードでの積み立てができる
歴史のある保険会社が運営している
1つ目のメリットは、RSPを運営しているRL360°は非常に歴史のある保険会社で信頼性が高い点です。
日本からの情報収集が難しいオフショア投資だからこそ、運営母体の信頼性の高さは最重要事項と言っても過言ではありません。
Standard&Poor’sからAA-、Moody’s からA2という高い格付け評価を受けていることや、RL360°が籍を置くマン島では破綻した生命保険会社に預けた資金は90%まで保証される点からもその信頼性は伺えるでしょう。
各種ボーナスがある
2つ目のメリットは、条件を満たすとさまざまなボーナスが受け取れる点です。
例えばRSPでは積み立て金額が年間で5400米ドル以上でかつ、10年以上の契約を行うなどの条件を満たす場合、最低でも1.5ヶ月分の積み立て資金がスターターボーナスとして上乗せしてもらえます。
また、10年以上の長期の積み立てを行う場合にも、契約期間が終わる際に一定の割合のロイヤリティーボーナスが付与されます。
このようなボーナスは日本の金融商品では聞き慣れないものだと思いますが、オフショア投資ならでの面白味と言えるでしょう。
クレジットカードでの積み立てができる
3つ目のメリットは、クレジットカードでの積み立てができるため、資金拠出に海外口座を経由させる必要がない点です。
日本の積立投資商品にも、一部クレジットカードでの引き落としが可能なものも存在しますが、まだまだごく一部です。
クレジットカード会社の規定にもよりますが、積立金額に大してポイントが貯まれば実質的な運用成果はさらに上がります。
ただしAmerican Expressのクレジットカードでの積み立てには1%の手数料が上乗せされるため、運用成果を重視したい場合には他のカードを利用したほうが良いでしょう。
RSPの悪い点
一方、RSPのデメリットは以下の通りです。
- 積立期間は最低でも5年間
- 積立最低金額は毎月280ドル~
- 手数料が高い
積立期間は最低でも5年間
まず1点目は、RSPは長期での運用を前提としているため、積み立て期間は最低5年からである点です。
積み立てた資金は最低でも5年間は拘束されるため、基本的にはしばらく使う予定のない余剰資金で投資する必要があります。
積立最低金額は毎月280ドル〜
2つ目は、RSPは毎月最低280米ドルから積立可能になるため、日本で購入できる通常の投資信託等と比べると購入単位が高額です。
また、積立期間が10年以上になる場合には最低280米ドルから積立可能ですが、5年~9年の短期で設定する場合には最低560米ドルを拠出する必要がある点にも注意が必要です。
手数料が高い
3つ目は、運用にかかわる各種手数料が高い点です。
解約時点での運用成績が良ければ全く問題ありませんが、解約直前に偶然景気の悪化に見舞われたり、事情があって早期に解約する場合には元本割れする可能性があることを理解しておきましょう。
特に設立期間中の解約は積み立て金の100%が没収されてしまうため、元本割れが確実になります。
RL360°(旧ロイヤルロンドン)のRSPの購入方法
結論から言うと、RSPは日本からでも積み立て可能です。
日本からRSPの積み立てを行う場合、RL360°から直接購入するのではなく、海外のIFA(Independent Financial Adviser)と呼ばれる資産運用コンサルタント(もしくは会社)を介して契約手続きを行います。
また、RL360°自体は投資全般に関する助言や、どのファンドがおすすめかといった情報を顧客側へ伝えることはありません。
運用方針に関する疑問についてもIFAに相談することになるため、IFA選びはオフショア投資において非常に重要なポイントとなります。
IFA選びのポイントはいくつかありますが、まず有価証券取引が許可されているRL360°の正規の代理店であるかどうかの確認は必須です。
また、海外の金融商品を取得するにあたり、メリットばかりではなく正しくリスクを伝えてくれるかどうかも優良IFAか否かの判断材料となります。
ただし、日本から投資を行う場合、語学などの壁により直接個人が優良IFAを選定したり、契約や積立金額の変更・停止などのやり取りを行ったりすることは難しいケースもあります。
そのような時には、日本人スタッフがいる代理店を介して手続きを行うことも検討してみても良いかもしれません。
私が実際にお世話になっているIFAの方を紹介することも可能です。
お気軽にお問い合わせください。
まとめ
RSPはオフショア投資における選択肢として、運営母体の信頼性から考えても比較的メジャーな部類に入ります。
また、各種ボーナスがある点は日本の金融商品ではあまり見られないメリットです。
さらにRSPに限らず言えば、オフショア投資は円安リスクに備える1つの手段にもなり得ます。
なお、購入にあたっての情報収集が難しい面もありますが、RSPの商品情報自体はRL360°公式サイトでも閲覧可能です。
通常の日本の投資信託や株取引、不動産投資だけではない資産形成手段として覚えておくと良いでしょう。