オフショア投資(海外積立投資)にもいろいろあります。
今回は、オフショア投資のコーンヒル(Cornhill)について解説していきます。
コーンヒルは、オフショア投資の中ではあまり知られていないのではないでしょうか?
インベスターズトラスト(ITA)やロイヤルロンドン(RL360°)に比べたらマイナーだと思います。
「コーンヒルって初めて聞いた」
「名前だけは聞いたことあるけどよく知らない」
という方に向けて、特徴や評判なども詳しく説明していきたいと思います。
コーンヒルとは?
コーンヒルは、正式名称をコーンヒルマネジメント(Cornhill Management)といい、1997年にルクセンブルクに本社を置く会社として作られました。
コーンヒルはクライアントに代わり資産を管理する投資会社です。
ルクセンブルクは、世界でも有数のオフショア地域で、金融の最先端です。
非常にグローバルな会社で、4大陸にネットワークを伸ばしており、160を超えるパートナーと共に10万人以上のクライアントと10億ドル以上の預かり資産を持っています。
さらに、欧州連合(EU)に拠点を置くMiFID IIライセンス事業体を通じて、投資家に金融ソリューションを提供しています。
(MiFID Ⅱとは簡単に説明すると、第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive II)の略称で、EU地域における投資家保護や透明性の強化を目的とした指令です。)
ここを通しているということは、だいぶ信用度も上がりますね。
さらにコーンヒルは、グローバル・アライアンス・パートナーズ(GAP)ネットワークのメンバーでもあります。
(GAPは、コーポレートファイナンス、ウェルスマネジメント、ファンドマネジメント、ブローキング、投資顧問などの取引活動を行う多面的な拠点です。)
これに加入することで、コーンヒルはさまざまな国際的リソースへのアクセスが容易になり、グローバルなサービスを展開することができます。
日本でもキャピタルパートナーズが加入しています。
コーンヒルの特徴
では、コーンヒルの特徴を見ていきましょう。
・ファンドの種類が豊富
・手数料が高い
・さまざまな企業と提携
・多少の未払いは問題ない
少しだけ他のオフショア投資と違うところがあるので1つずつ解説していきます。
特に最後の「多少の未払いは問題ない」は特徴的です。
ファンドの種類が豊富
コーンヒルの定期積立投資のファンドリストを見ていただければ分かると思いますが、非常に数多くのファンドを扱っております。
正確に数えてはいませんが、およそ400以上のファンドがあると思います。
もちろん多ければ多いほど良いファンドがある、という訳ではありません。
しかしこれだけ多くのファンドがあるということは、それだけ柔軟にポートフォリオを組むことができ、個々にあった資産形成をすることができるようになります。
手数料が高い
コーンヒルの手数料には下記があります。(コーンヒルのプラン概要)
・設立費用
・管理費
・マネジメント費
・取引手数料
・設立費用…拠出金の3%
積立投資なので毎月の拠出金(投資額)を決めますが、その3%がかかります。
・管理費…GBP10/月
GBPはグレート・ブリテン・ポンドの略です。
・マネジメント費…年率1.40% (毎月課金)
毎月課金なので、毎月約0.12%かかります。
・取引手数料…投資商品の購入または売却の3%
こちらは投資商品を売買するたびにその3%がかかります。
この取引手数料が、ポートフォリオを組み替えるたびに毎回かかってしまうので、全体的に割高な印象があります。
また、毎月の管理費も他のオフショア投資に比べたら少々高めです。
さまざまな企業と提携
コーンヒルの公式HPにも記載がありますが、バークレイズやウィットミル・トラストなど多くの投資のプロフェッショナルの企業と提携しています。
多くの企業と提携することで、さまざまな金融商品を扱うことができ、お客様に対して質の高く幅の広い提案をすることが可能となっています。
○バークレイズ
…イギリス・ロンドンに本拠を置く国際金融グループ。リテール、ホールセール、投資銀行部門のみならず、ウェルスマネジメント、モートゲージ、クレジットなど幅広いサービスを提供する
○ウィットミル・トラスト
…1992年に設立されジャージー島に籍を置く。ライセンス認可を受けた適格信託会社であるウィットミルは、ジャージー、ジブラルタル、スイス、ドバイ、キプロス、マルタ、オランダ、ルクセンブルクのオフィスから個人に合わせた高い専門知識を共有します。
多少の未払いは問題ない
これはオフショア投資であるかどうかに関わらず、非常に異質な制度です。笑
コーンヒルのプラン概要に記載がありますが、定期の支払いを怠ったり、引き出したりしてもペナルティはありません。
その時々の経済状況に応じて、定期的な投資額を変更することができます。
違約金は発生しませんが、ただ1つ条件があります。
それは、期間終了時に目標投資額を達成していることです。
期間が具体的ないつを表しているのかは、契約時に確認が必要ですが、経済状況に応じて柔軟に投資額を変更できることは非常に便利です。
ただし、毎月の最低投資額はあります。(毎月200ドル or 200ポンド or 200ユーロ)
コーンヒルの評判
最後にコーンヒルの評判を見ていきましょう。
ネットなどでの口コミは
「解約代行サービス」
「コーンヒルをおすすめしない理由」
など、マイナスな情報が溢れています。
しかし前述しましたが、日本の企業でもキャピタルパートナーズが加入している、グローバル・アライアンス・パートナーズ(GAP)のメンバーでもあります。
さらに、コーンヒルの提携先には、バークレイズやウィットミル・トラストなど金融界の超大手や歴史のある会社があります。
また、コーンヒルは投資会社であるので、これまで紹介してきた他のオフショア投資とは違い、コーンヒル自身がお客様の資産は保有しません。
なので、分別管理と同様にコーンヒルが倒産してもお客様の資産は守られます。(このときお客様の資産はバークレイズ銀行に保管されています)
こういった観点からも、コーンヒルという会社の安全性はそこそこ高いと思われます。
しかし、手数料のところでも述べましたが、コーンヒルの手数料は少し高めです。
そういった点から、あまりおすすめはされないオフショア投資なのかもしれません。