オフショア投資

外国債券とは?リスクや株との違いについても回答!

近年は投資需要の高まりもあり、外国債券という言葉を聞く機会も増えてきました。しかし、外国債券はまだまだ株や投資信託に比べるとどのようなものか知られていないでしょう。

本記事では外国債券とは何かをおさらいしつつ、外国債券の日本での買い方、さらに株との違いや外国債券のリスクなどについて解説します。

外国債券とは?

外国債券とは、

  • 海外市場で発行された債券
  • 海外の発行体による債券
  • 外貨建ての債券

のいずれかを指します。外債(がいさい)と呼ぶこともありますが、意味は全く同じです。

しかし、債券そのものにあまりなじみの無い人にとっては、ところで債券とは何?と感じることもあるかもしれません。

まずは債券とは何かを知り、外国債券を正しく理解していきましょう。

債券とは?

そもそも債券が何かを簡単に説明しておくと「国や地方公共団体、企業などが資金調達するために発行する有価証券」となります。

なお有価証券には債券に限らず株、商品券、手形などさまざまなものが該当しますが、ここでは権利書のようなものだと認識しておけば良いでしょう。

たとえば地方公共団体が発行する債券に地方債があります。

地方債は各都道府県などが発行していますが、もしAさんが満期10年の地方債を10万円分購入した場合、Aさんはその自治体に10万円を10年間貸す約束をしたことになります。

債券の発行は借金をするのと同じ意味合いがあるため、通常は金利を設定します。
上で示した10万円の地方債の年利が仮に0.2%だとすると、手数料や税金を考慮しなければ、Aさんは単純計算で1年間で200円、10年間で2,000円の利息を受け取れます。

なお債券には利子がつかないゼロ・クーポン債というものも存在しますが、これは利子がない代わりに事前に額面金額から一定額が値引きされたものとなります。

また、債券が満期を迎えて購入者に元本を返すことを「償還」、満期日のことを「償還日」と独特の言い方をしますので、覚えておきましょう。

もっと詳しく知りたい方は、岡三証券の「債券とは?」というページが参考になると思います。

広義の外国債券には3種類ある

次に、外国債券とは何かについてですが、広義には大きく分けて以下の3種類があります。

  • 円貨建て債券
  • 外貨建て債券
  • 二重通貨建て債券

※以下、聞き慣れない単語があればリンク先を参照してみてください。

円貨建て債券の1つにはサムライ債があり、これは国際機関、外国政府、外国民間企業など海外の発行体が日本国内の市場で円建てで発行するものとなります。

外貨建て債券には米ドル建て債券やユーロ建て債券などがあり、海外の通貨で元本の支払いや利息、償還金の受け取りが行われるものを指します。

二重通貨建て債券とは、デュアルカレンシー債のことで、債券購入時の支払い通貨と満期時の償還通貨が別々のものを指します。

なお外貨建て債券だけを指して狭義の外国債券と呼ぶ場合もあり、一言「外国債券」と言うと、どちらかというと狭義の外貨建て債券を指すことが多いです。

外国債券は日本国内からも購入可能

上で紹介した外国債券は、日本国内からでも一部の銀行や証券会社を通じて購入可能です。

また、個別の債券を買うのではなく、複数の外国債券を組み込んだ投資信託を購入することで間接的に外国債券に投資するのも1つの方法です。

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外国債券のリスク

次に、外国債券の中でも外貨建て債券が持つリスクについても確認しておきましょう。

主なリスクは以下の4つです。

  • 価格変動リスク
  • 為替変動リスク
  • 信用リスク
  • カントリーリスク

価格変動リスク

実は外国債券も市場で売買される際には株と同様に値動きがあるため、価格変動リスクが存在します。

通常であれば外国債券は償還まで保有すると元本が戻ってきますが、償還前に途中で売却すると、そのときの市場価格で手放すことになります。

すなわち、外国債券の価格が購入時の価格よりも下がっていれば損が出てしまいますし、購入時より値上がりしていれば利益が出ます。

もちろん、このリスクは国内債券にも同様に存在します。

為替変動リスク

次に為替変動リスクですが、外国債券の中でも外貨建て債券は日本円に交換する時に為替レートの影響を受けます。

例えば米ドル建て債券を1ドル110円の時に債券価格1,000ドルで購入し、翌年1ドル108円になった頃に満期を迎え、日本円で払い出すとします。

すると、1ドル110円から108円に2円ほど円高になっているため、日本円に換金した元本は2,000円目減りしてしまったことになります。

外国債券は利息が受け取れるのも大きなメリットですが、せっかく受け取った利息が為替変動による債券価格の目減りで相殺されてしまう可能性も有り得ます。

信用リスク

信用リスクについてですが、これは外国債券の発行体が利息や償還時の元本支払いを滞りなく行えるかどうかに関わってきます。

基本的にどんな金融商品もリスクとリターン(=利息)は反比例の関係にあり、信用力のある発行体が発行した外国債券は返済不履行になるリスクが低いため、一般的に金利も低くなります。

一方で信用が低い発行体が発行した外国債券は返済が滞る可能性がやや高いことから、金利は高くなります。

なお信用力を判断する材料として格付けというものが存在しますが、格付け機関が発行体や債券に対してアルファベットで「AAA」や「BB」の評価を付けていることは、外国債券にあまりなじみがない人でも知っているかもしれません。

カントリーリスク

外国債券には、発行体である国ごとの個別のリスク(カントリーリスク)が存在します。

例えば日本などは政治情勢が諸外国と比較すると安定しているため、カントリーリスクは低いと言えます。

しかし、デモやテロが頻繁に発生する、政治体制が劇的に変化するなどの事態が起こる国の債券は、元本の返済や利息の支払いに悪影響を受ける可能性があるため、相対的にリスクが高くなります。

外国債券に関するよくある疑問

次に、外国債券に関するよくある疑問についても解消しておきましょう。

外国株との違いは?

外国債券は外国株と同様、発売後は需要次第で値動きがある点で似ていますが、外国株と違う点は、満期を迎えた時に基本的に元本が戻ってくる点です。

また、株は保有していると配当金という形で業績などに応じた金額が振り込まれますが、これも債券の利息と少し似ているようで違います。

配当金の支払いは株式発行企業にとっての義務ではない一方、外国債券の発行体は、債券の金利を定めたら決まった時期に決まった利息を支払わなければなりません。

この点は、日本債券でも全く同様です。

外国債券投資のリスクはどのくらい?

外国債券投資のリスクは、一般的には株式投資のリスクよりも低いです。

しかし、投資先の国によってリスクに大きな差がある点は留意しておきましょう。

例えばアメリカ政府が発行する債券である10年物の米国国債の年利は約1.545%である一方、南アフリカ共和国の10年物の国債の年利は約9.07%と大きな差があります。(2021年5月時点)

投資全般に言えることですが、リターン、すなわち金利が高くなるほどリスクも高くなるため、格付けが公開されている債券であれば確認は欠かせません。

外国債券の発行体がお金を返せなくなることはある?

外国債券の発行体がお金を返せなくことは有り得ます。これは「デフォルト」と呼ばれ、日本語では「債務不履行」という意味になります。

デフォルトすることは稀ですが、2014年にはギリシャがデフォルトした例もあるため、可能性はゼロではない点に留意しておく必要があります。
(→参考:ギリシャ危機

国際的な有名格付け機関であるS&P(スタンダードアンドプアーズ)は格付けごとのデフォルト率のデータを公開しているため、外国債券に投資する際は目安として確認しておくのも良いでしょう。

まとめ

外国債券とは、発行市場・発行体・通貨のいずれかが外国である債券で、基本的には一定期間ごとに金利が受け取れる金融商品です。

外国債券には為替変動などさまざまなリスクもありますが、投資を行う場合円高の時に購入できれば金利以上の利益が見込めるため、リスクが一概に悪いものとは言い切れません。

また外国債券投資のリスクは一般的には株式投資よりも低いと言われていますが、購入を考えている場合には利息の高さだけで判断するのではなく、格付けなどの情報も確認するようにしましょう。

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