資産運用

海外ETFとは?3つのメリット・デメリットを交えて紹介

ETF(上場投資信託)と言えば日本の取引市場でもポピュラーな金融商品ですが、海外にもETFがあるのは知っていますか?また、海外ETFは日本からでも購入できるのでしょうか?

本記事ではETFとは何かをおさらいしつつ、海外ETFの概要や日本からの買い方、さらにメリット・デメリットなどについて解説します。

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海外ETFとは? 日本から買える?

海外ETFとは海外の取引所に上場している投資信託のことで、海外の代表的なインデックス(指数)との連動を目指しています。

海外ETFとは具体的にどのようなものかを理解するにあたり、投資信託やインデックス、ETFの意味を念のため確認したいと感じる人もいると思いますので、1つずつ分解して説明します。また、有名な海外ETF銘柄についても触れていきます。

投資信託とインデックス(指数)の意味は?

そもそも投資信託とは、インデックスという株式指数に連動して価格が変動する金融商品のことです。日本で有名なインデックスには「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」といったものがありますよね。なお日経平均株価に連動して動く投資信託であれば「日経平均株価をベンチマークとしている」と言います。

なお海外の代表的なインデックスとして「S&P 500」があり、アメリカの株式市場で売買されている代表的な500社の株価から算出されています。すなわちS&P 500をインデックスとする投資信託は、基本的にS&P 500が上昇すれば値上がり、逆にS&P 500が下落すれば値下がりします。投資信託はそれひとつで各株価指数を構成する企業の株にまとめて投資できる点で、個別株投資よりも比較的ハードルが低いのが特徴です。

なお投資信託はリアルタイムの値動きはせず、基本的に取引市場が開いている日に1度だけ価格が動きます。例えば個別の企業の株価は売買が発生する度に値動きが起こりますが、投資信託は取引所の営業日であれば1日1回のみ基準価額が算定されます。その日の取引時間中に注文を出すと取引時間終了後に決まった基準価額で注文が確定します。

ETF(上場投資信託)とは?有名な海外ETF銘柄は何?

ETFはExchange Traded Fund(上場投資信託)の頭文字を取った言葉で、投資信託の一種です。ETFは通常の投資信託とは異なり個別株のように需給が一致すればほぼリアルタイムでの売買が可能です。すなわち、取引所が開いている時間帯は絶えず価格が変動するのがETFの特徴です。

国内ETFも海外ETFも基本的に売買の仕組みは同じで、大きな違いは海外の取引所に上場しているかどうかという点です。

ちなみに海外ETFの1つとして日本でも比較的有名なものに、「バンガード・S&P 500 ETF」があります。これはアメリカのETFで、S&P 500をベンチマークとしていします。仮にこの海外ETFを購入すれば、実質的にアメリカで代表的な500社にまとめて投資できることになります。

このようにETFはインデックスを構成する企業の株にまとめて投資できる投資信託の性格を持ちながら、個別株のようにリアルタイムで売買できる、2つの良いとこ取りをした金融商品なのです。

海外ETFは日本国内からも購入可能

 海外ETFは日本国内からでも購入可能です。取引は海外ETFの取り扱いがある証券会社の外国株口座で行います。基本的には各証券会社で日本の株取引口座を開設したのち、追加で外国株式の口座を開設する流れとなります。

口座開設自体は無料の会社が多いですが、取引には売買手数料がかかります。外貨に換金するための費用なども含むため日本のETFより海外ETFのほうが手数料は高い傾向にあります。取引前に各会社でよく確認するようにしましょう。

海外ETFのメリット

海外ETFのメリットは以下の3つです。

・ほぼリアルタイムで取引できる
・様々な投資対象へリスク分散投資ができる
・低コストで運用できる

ほぼリアルタイムで取引できる

先に述べた通りですが、海外ETFのメリットの1つ目は株式市場が開いている間はほぼリアルタイムで売買ができる点です。通常の投資信託の購入・取得のタイミングは取引時間終了時の1日1回のみとなりますが、海外ETFなら市場が開いていれば値動きを確認しながら好きなタイミングで売買可能です。

株式市場が開いた直後は安値圏だった海外ETFの価格が閉場直前には大幅に上がるといったことも頻繁に見られます。売買のタイミング次第で投資信託より利幅を大きく伸ばすチャンスがあるのは海外ETFの利点でしょう。

様々な投資対象へリスク分散ができる

一般的に、海外ETF投資は個別株1つに投資するのに比べてリスク分散できる点もメリットです。ETFは投資信託のため、1つの銘柄を購入するだけで実質的に複数企業に投資していることになります。

「卵を1つのカゴに盛るな」と言われているように、投資において極力リスクを下げるには資金を様々な投資先に分散することが重要です。もし資金を1つの個別株に投入した場合、資産の増減はその銘柄だけに依存します。すると、株価は世界的に上昇傾向にあるにもかかわらず、たまたま保有していた株だけ決算の結果が悪く株価が暴落してしまった…といった事態も考えられます。

しかし海外ETFを購入すれば、そのETFのインデックスを構成する1つの会社の株価が下がっても他の会社の株価が上がっている可能性もあります。海外ETFならより市場平均に近い運用益を得られるので、損益を1社に依存しないリスク分散投資が可能となるのです。

低コストで運用できる

海外ETFの3つ目のメリットは、海外の投資信託に比べ低コストで運用できる点です。銘柄によって多少差はあるものの、一般的に海外ETFは運用中の手数料率が投資信託よりも低いです。運用期間が長くなればなるほど、投資信託ではなくあえてETFで保有するメリットを享受できると言えるでしょう。

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海外ETFのデメリット

海外ETFには以下の3つのデメリットも存在します。

・国内ETFより売買手数料が高い
・為替変動リスクがある
・分配金が自動で再投資されない

国内ETFより売買手数料が高い

海外ETFの1つ目のデメリットは、売買手数料が国内ETFよりも高い傾向にある点です。海外の金融商品は外貨での取引となるので、購入時や売却時に日本円と外貨の間で換金するコストとして為替手数料がかかることが理由です。

ただし上で述べた通り海外の投資信託と比較した時の運用手数料は低いので、商品ごとに売買手数料と天秤にかけてみるとよいでしょう。

為替変動のリスクがある

海外ETFを取引する際には為替変動のリスクがある点もデメリットと言えます。海外ETFは外貨で取引されることが多いため、購入時よりも円高に為替が動いた場合は価値が目減りしてしまいます。

例えばアメリカのETFを1ドル100円、基準価額が1口あたり20ドルの時に購入したとします。この時のETFの価値は日本円に直すと2000円です。その後ドル円のレートが1ドル90円に動いた場合、基準価額が変わらなかったとしてもETFの価値は1800円に目減りします。ここでもし基準価額が下落に転じていた場合、さらに損失が増えるので注意が必要です。

分配金が自動で再投資されない

 海外ETFは分配金が自動で再投資されないこともデメリットです。通常日本国内の投資信託であれば購入時に分配金を再投資するかしないか選択でき、再投資を選べば分配金が発生した場合自動で元本に組み込まれるので複利効果が狙えます。しかし海外ETFでは再投資ができません。そこで、海外ETFも分配金も投資資金に加えて複利で運用したいと考えている場合には手動で追加の買い付けを行う必要があります。

海外ETFなら外国株式を手軽に運用できる

海外ETFは外国株式を複数銘柄にリスク分散をしながら低コスト、かつリアルタイムに運用できる点で、個別株よりも比較的手軽に運用することができます。しかも為替レートによってはベンチマークとしている株価指数の上昇幅以上の利益を狙うことも可能です

ただし、日本のETFには無い為替変動リスクや、投資信託と比べ売買手数料が高いなどのデメリットも忘れてはいけません。海外ETFは証券会社によって手数料にも多少違いがあるので、少しでもコストを下げて運用したい場合には事前に各会社の下調べをしっかり行うと良いでしょう。

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