オフショア投資はオフショア地域(オフショア金融センター)で運用される金融商品への投資を意味します。
では、「オフショア地域」とは具体的にどこにあるのでしょうか?
「そもそもオフショア地域ってなんだろう?」
「日本にあるの?」
といった疑問を持つ方に向けて、今回はオフショア地域に関して解説していこうと思います。
オフショア地域とは
そもそもオフショア地域とはなんでしょうか?
簡単にいえば、税率が非常に低い地域、もしくは税率が全くかからない地域のことです。
まず、単にオフショアといえば、オフショア=「海外の」という意味があります。
しかし、金融における意味は、オフショア=租税回避地(タックスヘイブン)となります。
タックスヘイブンという言葉は聞き覚えがあるのではないでしょうか?
つまり、オフショア地域では、税率が非常に低いorかからないため、利益がそのまま手元に残りやすくなります。
これを金融商品に生かせば、高い利益率を出すことができます。
こういうわけで、オフショア地域には金融機関が集まり、高い利益率を誇る金融商品を運用しています。
アジアのオフショア地域
アジアの代表的なオフショア地域は「香港」と「シンガポール」です。
香港は、オフショア口座の開設方法にもある通り、日本にとって最も身近なオフショア地域です。
HSBC銀行などで、日本からオフショア口座を開設しやすく、都市としても非常に発展しています。
シンガポールは、世界でも有数の発展している都市であり、それは金融センター指数が世界6位であることからも伺えます。
もちろん金融の中心にもなっており、金融センターとして不動の地位を誇っています。
次のニュース記事「金融センター指数」にもある通り、香港とシンガポールの金融レベルは高いことが伺えます。
ヨーロッパのオフショア地域
ヨーロッパの代表的なオフショア地域は、「スイス」と「ルクセンブルク」と「マン島」です。
スイスは、19世紀初めに永世中立国となりました。
永世中立国とは、戦争に参加しない国のことであり、それゆえに資産が安全に守られます。
資産保全に適しているということで、プライベートバンキングを背景に金融が発展してきました。
ルクセンブルクは、ロンドンなどと肩を並べるほどの金融センターです。
政治的にも安定しており、さらにIMF統計の一人当たり国内総生産(GDP)はダントツで世界1位です。(2020/10/14のデータ)
さらに、金融に関する規制を整備して投資を行いやすくした結果、投資信託の運用拠点となりその市場規模はヨーロッパ1位となっています。
(ヨーロッパの小国・ルクセンブルクというサイトに詳しく載っています)
マン島は、イギリスのグレートブリテン島とアイルランドの間にあります。
マン島は、世界有数の金融機関がいくつも存在しており、その安定・安全性はトップレベルです。
仮に倒産したとしても、保有している金融商品は、時価評価額の最大90%まで保証されます。
ここで注意していただきたいのが、「元本」ではなく「時価評価額」であり、「90%確定」ではなく「最大90%」である点です。
当然、運用が上手くいかず時価評価額が元本割れしていれば、その元本割れした額の90%が保証されます。
また、「最大90%」なので、60%や50%の場合もあります。
しかし、前述の通り、マン島の金融の安全性はトップレベルなので、基本的に倒産の心配はしなくて良いでしょう。
大西洋付近のオフショア地域
大西洋付近(カリブ海など)のオフショア地域は、「ケイマン諸島」と「バージン諸島」です。
どちらもカリブ海に位置しています。
ケイマン諸島は、非常に優秀な国際金融センターですが、あまり良いニュースを聞かない地域でもあります。
それは、ケイマン諸島では投資家などの資産を監視の目から隠すことが出来たためです。
それゆえマネーロンダリングが可能となっていた地域でした。
しかし現在は、そのような不透明性も解消され、しっかりとした金融監督制度が敷かれており、マネーロンダリングなどの犯罪は出来ないようになっています。
上記のような過去の悪い印象はありますが、金融センターとしてはマン島に並ぶほどの安全性を備えており、世界有数の金融センターです。
バージン諸島は、BVI(British Virgin Islands)とも呼ばれる、バージン諸島の中でもイギリス領の方を言います。(アメリカ領のバージン諸島もある)
バージン諸島もマン島やケイマン諸島と同じく、安定性の高い金融センターです。
まとめ
今回は、オフショア地域(オフショア金融センター)について解説しました。
オフショア地域は、税金がかからないため、
「オフショア投資は節税になる!」
「税金を収めてないから脱税になるんじゃないの?」
という意見がありますが、日本に在住している限りは利益を得ればしっかりと税金を納めることになります。
なので、節税にも脱税にもならないのでご安心ください。
(詳しくはオフショア投資の税金を徹底解説!をご覧ください。)