オフショア投資

外貨預金とは?メリットやデメリットを具体的に解説!

銀行や証券会社のホームページを見ると、最近しきりに外貨預金の広告を見かけることから、外貨預金に興味を持つ人も多いのではないでしょうか。

しかし、日本円で預金するよりも難しそうなイメージもあり、外貨預金口座は持っていないという人もいることでしょう。

本記事では外貨預金とは何かや、外貨預金口座はどこで開設できるか、外貨預金のメリットとデメリットを解説します。

外貨預金とは?

外貨預金とは、海外の通貨を銀行口座に預けることです。

日本円での預金と同じように、外貨預金にも普通預金だけでなく定期預金口座があり、一定期間ごとに利息を受け取れます。

金融機関にもよりますが、米ドル、ユーロ、豪ドル、ブラジルレアルなどさまざまな通貨を預けられます。

外貨預金口座が開設できる場所は?

外貨預金口座は一般の銀行で開設でき口座開設費用自体は無料のケースがほとんどです。

金融機関によっては対応していない通貨もあるため、開設したい場合には利用したい通貨の対応状況の確認が必要です。

例えば、ソニー銀行などでは、ブラジルや南アフリカなど12種類の通貨を取引することが可能です。

特に最近のネット銀行では、外貨で定期預金を行いたい時に日本円の普通預金口座から振り替える金額と期間を指定するとすぐさま外貨の定期預金口座を作成できるため非常に便利です。

厳密に言うと外貨預金とは少し異なりますが、証券会社のFX口座で外貨を購入しても利息を受け取れるため、中にはレバレッジなしのFXを外貨預金代わりに利用する人もいます。

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外貨預金のメリット

外貨預金のメリットは金利の高さ、為替差益が得られる可能性がある点、低リスクの資産運用とも言える点の3つです。以下、それぞれについて解説します。

日本より金利が高い国が多い

外貨預金の最大の目玉となる特徴は、日本円で預金するよりもはるかに高い利息が付く点です。
2021年5月時点で、日本の大手銀行Aの普通預金口座の金利は年0.001%程度です。

税金を考慮しなければ、これは100万円を1年間預けると年間で10円の利息が受け取れることになります。

もちろん感覚は人によりますが、100万円に対して10円の利息と考えると、少ないと感じる人が多いのではないでしょうか。

一方で、2021年5月時点で日本の大手銀行Aの米ドルの普通預金金利は年0.6%です。
もちろん金融機関により金利に大きな差がありますが、この銀行であれば米ドルを1年間普通預金で預けると税金を考慮しなければ6000円が受け取れます。

同じ金融機関でも

・日本円の普通預金口座に預けるか
・外貨の普通預金口座に預けるか

によって、600倍もの利息の差が生まれると考えると、外貨預金の金利の高さは目を見張るものがあります。

ただし、外貨であればどの通貨でも良いわけではありません。
例えばユーロの発行体である欧州中央銀行は政策金利を0%(2021年5月時点)に設定しているため、ユーロで外貨預金をしてもほとんど金利が受け取れないことが多いです。

外貨預金だからと言って必ずしも日本円での預金より多くの利息を受け取れるとは限らない点には留意しておきましょう。

三井住友銀行の外貨預金などを見ていただければ分かると思います。

為替差益が得られる可能性がある

外貨預金の2つ目のメリットは、為替差益が得られる可能性がある点です。

どの外貨にも共通することですが、外貨を円高時に購入して円安時に売却すれば、細かい手数料を考慮しなければ為替変動分の利益が得られます。

為替レートは通貨ごとに異なる動きをするため、2つ以上の外貨で資産を持ち分散投資することで、ある通貨の外貨預金が目減りしてしまっても、他の通貨では価値が上昇することも考えられます。

低リスクの資産運用ができる

見方によっては、外貨預金では低リスクの資産運用ができる点もメリットと言えます。

選ぶ通貨によって異なりますが、一般的に外貨預金は株式投資や、投資資金を事実上借りて取引するレバレッジありのFXなどに比べると低リスクと言えるため、余裕資金で運用したい人には向いているでしょう。

特に外貨の定期預金については、近年多くの金融機関で金利アップキャンペーンを行っています。

短ければ1ヶ月程度から外貨の定期預金を申し込めるため、長期間資金を固定されてしまうこともなく、比較的外貨預金を始めるハードルも下がっています。

参考までに、楽天銀行の外貨預金の金利一覧を載せておきます。

ただし後述しますが、新興国などの金利が高い通貨は為替変動のリスクが高く、外貨預金は一概には低リスクと言えない点にも留意すべきです。

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外貨預金のデメリット

外貨預金には金利や為替差益が得られるメリットだけでなく、気を付けなければならない点も存在します。以下、外貨預金の4つのデメリットについても解説します。

為替変動で損する可能性がある

外貨預金のデメリットの1つは、為替変動により元本が減ってしまう可能性がある点です。

円高から円安になるタイミングで預金できれば、為替差益と呼ばれる利益が出ますが、円安から円高になるタイミングで外貨を保有していると損してしまいます。

元のレートに戻るまで保有し続けるという手もありますが、必ず戻るとは限らないうえ、お金が必要になった時にすぐに出金できないため、余裕資金以外での外貨預金はあまりおすすめとは言えません。

また、先進国よりも新興国の通貨のほうが金利は高いものの為替レートの変動が激しく、リスクが高い傾向にある点も留意しておきましょう。

新興国通貨でよく取引されているものにはトルコリラ、南アフリカランド、ブラジルレアルなどがあります。

 

なお為替変動によるリスクへの対処としては、一度に外貨を大量に購入するのではなく、積み立てなどで何度かに分けて購入する方法があります。

偶然円高の時に外貨を保有できれば為替差益を得られますが、円安の時にまとめて外貨を買ってしまうと元本割れの危険性も出ます。

購入時期をずらして購入時の費用を平均化するこの手段は「ドル・コスト平均法」とも呼ばれ、予測が難しい為替相場においてはリスク回避の手段としては有効です。

手数料がかかる

外貨預金のデメリットの2つ目は、利息や為替差益以上の手数料がかかるケースがある点です。

こちらも金融機関によって異なりますが、外貨預金では通常、外貨購入時や入出金の際に手数料がかかります。

外貨の預け先の金融機関が預金者の代わりに外貨を購入したり、外貨を引き出す際には売ったりする手間がかかっているため日本円の預金口座より多くの手数料が発生するのです。

せっかく利息を受け取ったり、為替差益で利益が出たりしても支払った手数料で相殺されてしまう可能性があるため注意が必要です。

ペイオフの対象外

外貨預金はペイオフという制度の対象外である点にも注意が必要です。

ペイオフとは、金融機関が破綻してしまった時に預金保険機構が預金者に一定金額までのお金を払い戻す制度です。

金融機関の破綻事例はそこまで多くありませんが、外貨預金はペイオフの対象外であるため、万一金融機関が破綻した時にお金が返ってこなくなってしまう可能性もあります。

為替差益が出たら確定申告が必要

外貨預金で為替差益が出た場合に確定申告が必要な点も、人によってはデメリットに感じるかもしれません。

外貨預金で受け取った金利については、源泉徴収と言って受け取る時点で約20%の税金が先に引かれるため確定申告は不要です。

しかし為替レートの変動により得た為替差益が20万円以上になる場合には、雑所得として確定申告が必要となるため、手続きの準備や自分での納税が手間に感じる人はデメリットになるでしょう。

まとめ

外貨預金はさまざまな国の通貨を預金することで、日本円よりも高い金利を得られるのが特徴です。

一方で、為替変動リスクや手数料がかかる点、ペイオフの対象外である点などは留意しておきましょう。

外貨預金で受け取れる利息はその時の各国の政策金利に大きく左右されるため、金利狙いであれば少なくとも日本の政策金利よりも高い金利が設定されている国の通貨で外貨預金を行いましょう。

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